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【ラペオニアインタビュー㊺】「今は、ミューズと呼ばれた4人の女の子たちを中心に描いています」――「琉昼花」デザイナー&イラストレーター・巴ゆもさんにインタビュー



■Profile

ニックネーム:巴ゆも

エックス:@ym_tomoe

出身:日本

職業:「琉昼花」デザイナー&イラストレーター











■Art Gallery



――まずはじめに、簡単な自己紹介をお願いします!


「巴ゆもと申します。イラストをメインに、デザインをしたり、お洋服を作ったりしています」


――絵を描き始めたのはいつ頃からでしょうか?また、美術系の学校などに通ったことはありますか?


「明確にこの頃から始めた!みたいなのはなくて、保育園でみんなでお絵描きしたり、小学校にあがった時はお絵描き教室に行ってました。教室といってもデッサンとかは全然なくて、お菓子食べながら好きなもの描いてみよう〜ってくらいゆるい感じです(笑) 漫画やアニメを見始めたのが中学生前後で、人物画を描き始めたのもこの頃からでした」



ずっと描いてきた割に絵の勉強をちゃんとしたことがなかったのでしてみたくて、ちょうど去年2023年の4月から社会人学生として夜間でイラストの専門学校に通い始めました。が、夏に病気になってしまって、今は休学中です


――これまでに参加した商業プロジェクト、及びビジネス活動歴について教えてください


「VTuberさんやライバーさんの動画のお手伝いや、記念イラストを担当させていただいたことがあります」





――作品を拝見させていただきました。淡い色彩が特徴的だなぁと思ったのですが作品全体のテーマはなんでしょうか?


「テーマは正直、何を描くかで変わってきます。以前は二次創作がメインだったのですが、二次創作だとキャラクターの良さを引き出すっていう部分が大きいので、表情や感情を色や陰影でどうやって表現するか考えながら描いていました。中でも私は裏表があるキャラクターが好きだったので、表面上では陽気だったり、強がりなキャラクターの、裏面の人間的な弱さ、儚さ、脆さを表現しながら描くことが多かったです」


▲2022年以前の二次創作イラスト


「最近だと一次創作がメインになってファッションの要素が強いです。元々お洋服がすごく好きなので、自分の世界観を表現するって考えた時に、一番描きたいのはファッションでした。一方で、キャラクターを作る時には表の明るい部分と裏の暗い部分の設定を作るようにしていて、今はキャラクターの表面的な明るい部分を描いているようなイメージですね。キャラの裏表を表現するっていう意味では、今も昔も変わっていないので、それがベースにあるのかもしれないです」



――また、最近の作品ではファッション誌(特に「装苑」)のようなファッションセンスを感じました…お洋服を描くうえでのテーマやモチーフにしているものを教えてください。


「装苑!すごく嬉しいです!お洋服に関してはテーマはあまりなくて、本当に好きなものをただ描いています!(笑)」



「ヴィンテージやY2Kから、ガーリーもボーイッシュも好きです。カテゴリーやジャンルにとらわれたくないという気持ちがありますが、実際は好きなものが多すぎて、テーマとして絞り込めてないだけかも(笑)モチーフとしては、フリルやリボンが好きなので描きがちですね!」


――ハンドメイドやリメイクもお得意とのことで、ブランド「琉昼花」も運営されていますよね。


「大学が服飾関係だったので、洋裁の知識はその時に学びました。ブランド自体は、学生の頃からやりたいと思っていたんです。でも、ぼんやりと「やってみたいな〜」って思ってるくらいで!学生時代から同人誌を出したりして絵の方が結構忙しくて、販売できるものを製作する時間もなく、気づけば時間が経ってました」



「ただ、ある時ふと「絵とブランドだけで生活できるようになりたい!」って思い立ったんです。たぶんその時の仕事が辛かったんだと思います(笑)それで、まず絵をきちんと仕事にできるようにしようと思って、イラストの学校に行くための準備を始めました。準備期間中は少し時間があったので、思い切って数点製作して販売しました。この時は琉昼花としてではなく、個人的に販売していただけで、学校を卒業してからきちんとブランドとして立ち上げようと思っていました」



「でも、病気になって学校を諦めて自宅療養していたんですが、体調が良くなってきて前向きに動けるようになってきたときに、「時間がある今しかない!」と思って製作をし始めて。ちょうど、デザイナーの友人に琉昼花のロゴデザインの制作をお願いしてたのがぴったりのタイミングだったのもありますね。デザインのラフ見せてもらった時、本当に可愛くてすごくテンションがあがっちゃって!(笑)私は体調も不安定で制作できる時とできない時があって「もうダメだー」ってくたびれちゃうこともあったんですが、本当に背中押してもらいました。自分1人で作ってるんじゃないんだ!って実感して、そこから気合い入れて製作、無事にブランドとして立ち上げることができました。大きな企画こそ、いろんな人の助けを借りて作り上げた方がいいものができると思います」


――様々なことを経て出来たブランドだったんですね。話は変わりますが、そんな巴さんが現在に至るまで、ご自身の嗜好に影響を与えた作品やものを教えてください。


「たくさんありますが、ボーカロイドや、作品でいうとポケモン、CLAMP作品、コードギアス、まどマギ、マギ、刀剣乱舞、魔法使いの約束、あんスタなど…もう本当にジャンル関係なく、いろんなものからインスピレーションを貰っています」


▲2023年以降の『あんさんぶるスターズ!』FA


「あと、やっぱり原宿ですね!当時、森ガールが流行っていたころにワンダーロケットというブランドがあったり、AMOちゃんが全盛期には”ゆめかわいい“が流行っていて、この頃のcandy stripperやKatieが大好きでした。最近では縷縷夢兎、rurumu:、tanakadaisuke、オトナシウムなどのブランドから影響を受けています。今は韓国アイドル(aespa)が熱いです」


▲2022年以前の『魔法使いの約束』FA


――それでは創作について。オリジナルキャラクターをご紹介ください!


「今は、ミューズと呼ばれた4人の女の子たちを中心に描いています。彼女たちは、とても美しくて、かわいい。キラキラしていて、みんなの憧れ。でも本当は、真逆の世界で生きている存在です。モデルはZ世代とアイドル」



「今ってSNSが普及していて、若い子がスマホを持ってることが当たり前の時代で、何においてもレベルの高いものに囲まれているじゃないですか。たとえば、ブランドバッグをもってる同い年の子とか。モデルみたいにかわいい女の子とか。みんな必死にそこに並ぶ努力をするし、同時に、認めてもらえる方法って閲覧数だったりいいね数やブクマ数みたいな目に見える数字で、とにかく承認欲求が強い子たちが多い。理想が高すぎて、自分を認められないんです」


「可愛くなるための整形費用やブランドバッグを買うためにぼろぼろになりながら身体を売っている子や、痩せても満足できずに摂食障害になる子、できない自分を許せなくて傷をつける子。親の歪んだ自己顕示欲。もう全部辛くてしんどくて、ODや自殺に縋る、居場所のない子供たち。そんな、触れたら崩れる、傷だらけのガラスみたいな4人の女の子です」


――ご自身が今まで描いた作品の中で1番印象深い作品は何ですか?


「かなり古いもので、2015年に描いた刀剣乱舞のイラストです」



「これより前から作品をpixivにアップしていたのですが、いままで全然みてもらえてなかったのに(笑)、この絵はすごく閲覧数が多かったのが印象的でした。たぶん、このイラストきっかけで今でも絵を見てくれている方もいるんじゃないかな?と思ってます」


――今後、挑戦してみたいことはなんでしょうか?また、何か告知がありましたらぜひ!


「自主制作としては、5月のデザフェスに初出展するのでぜひ見に来てほしいです!小さな空間にミューズたちの世界を作ります」


「挑戦してみたいことは本当にたくさんあって、まずはファッションやメイク関係のお仕事ですね!アパレルデザインやコスメデザインなど、自分の考えたものが商品化されるのは昔からの夢です。音楽やアイドルも好きなので、MVイラストやジャケットイラスト、グッズイラスト等やりたいです!デザインももっと勉強して、イラスト×デザインのような形でお仕事させていただくのが目標です。あとは企画展などの展示にも呼ばれるのは憧れですし、もちろん個展はやってみたいです!」


「琉昼花の方でも、ポップアップのような形で実際に商品を見てもらいながら対面販売できる機会は今後設けていきたいと思っています。あとは他の作家さんやブランドとコラボだったりも楽しそう。アイドルが好きなので衣装提供もいつかできたら…と思ってます!」


――インタビューありがとうございます! 最後にファンに一言お願いします!


「いつも作品を見てくださってありがとうございます!好きで描き始めた絵でも、今では見てくださる方がいるから描き続けていられる部分も多いです。やりたいことは全部叶えていきたいので、これからもいろんなことに挑戦していきます。見ていただけたら嬉しいです!」

 

■ライタープロフィール

ニックネーム:笹本千尋 -sasamoto chihiro-

東京都在住

ツイッター:@tiam_00 

自己紹介:2021年に日本大学芸術学部文芸学科を卒業後フリーでライターをしております。


現在は「アニメイトタイムズ」「クウネル・サロン(マガジンハウス社)」「リアルサウンド」などで活動中。




 

ラ・ペオニア運営会社の株式会社ジニヤズでは、若手クリエーターたちの作品や発想、活動をインタビューを通して世界中の多くの人々に伝えることを応援しております。


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