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【ラペオニアインタビュー㊷】性別の曖昧なこどもたちを少し退廃的な世界観で描いている理由とは?イラストレーター・74さんにインタビュー



■Profile

ニックネーム:74

エックス:@Womb_74

出身:日本

職業:イラストレーター










■Art Gallery


――まずはじめに、簡単な自己紹介をお願いします!


「74(ななじゅうよん)です。性別の曖昧なこどもたちのイラストを描いています。普段はモデリング、アニメーション、動画制作等CG系の仕事に就いています」


――ちなみに、名前の由来をお聞きしても…?


「名前の由来は昔友人に教えてもらった暗号からとっています。暗号化する前がどういう意味の言葉だったのかは秘密です。イラストレーターとしての活動前からHNとして使っていました。自分は名前を決めるということがとても苦手で、74についても自分で決めたというよりその友人につけてもらったような感覚でいます。偶然なのですがななし、とも読めるところも名前のない感じで安心するなあと思っています」


――絵を描き始めたのはいつ頃からでしょうか?


「絵自体は物心つく前から描いていたようです。小学校低学年くらいの頃には自分のお気に入りのテディベアを主人公にした漫画をよく描いていました。自分でオリジナルのキャラクターを作るようになったのが小学5年生の頃からで、アナログで描いた線画をスキャナーで取り込んでデジタルで色を塗る、という今の形で絵を描くようになったのは高校の頃からです」


――そうだったんですね!美術系の学校などに通ったことはありますか?


「多摩美術大学を卒業していて、在学中は工芸学科でガラスについて学んでいました。課題でステンドグラスやガラスの人形を制作しつつ、イラストレーターとしての活動を本格的に始めたのが大学時代からです」



――これまでに参加した商業プロジェクト、及びビジネス活動歴について教えてください。


「『ILLUSTRATION 2019』『VISIONS 2024』に掲載いただいています。その他イラスト系の雑誌に掲載いただいたり、アイドルの方やVTuber関係でイラスト制作を行った経験があります。その他展示や、デザインフェスタなどのイベントにも参加しています」


――性別の曖昧なこどもたちを少し退廃的な世界観で描いている、とのことで。


「昔から性別の曖昧なものが好きで、それらに神聖さを感じていたというのが大きいかと思います。特に海の生き物は性別が変わったり、雌雄同体だったり、謎が多くて神秘的だなと感じています。実際にイラストレーターとしての活動当初は海の生き物をモチーフに制作をすることが多かったです。SNSのアイコンにウミウシを元にした生き物のイラストを使用しているのですが、これは当時の名残でもあります。そこから性別の曖昧さだけを抽出して今の作風になったのかなと」


▲海の生き物がモチーフの作品


――“退廃的”な部分についてはいかがでしょうか?


「退廃的というと健全でない、ある種の異常な状態のことをいうのだと思うのですが、その普通とは違うという状態に興味を惹かれたり、胸が締め付けられたり、様々な感情が湧き上がるので描きたいと思うのかもしれません。不完全だからこそ想像の余地があって、想像の余地があるからこそ果てのない美しさを持っているんじゃないかと思うんです。その美しさを形にできればいいなと考えています」


――それでは現在に至るまで、ご自身の嗜好に影響を与えた作品や好きなジャンルをお聞かせください。


「本当に色々な作品に影響を受けているのですが、映画だと『この森で、天使はバスを降りた』、小説だと『わたしを離さないで』が強く印象に残っていて、刺激を受けた作品です」

▲童話がモチーフの作品


「好きなジャンルは音楽でしょうか。the cabs、arthurなど。曲を流しながら作業をしています。童話も好きで、イラストのテーマやキャラクターの設定、モチーフとして取り入れることが多いです。特に好きな童話は『不思議の国のアリス』『ナイチンゲールとばらの花』です」


――拝見させていただいたところ、ゲームも自主制作されているんですね!ゲームの(プログラミング的)技術は独学でなさっているのでしょうか?


「なんとか独学で頑張っています。ドット絵のゲームが好きなのでレトロゲームのような、ジャンルとしてはノベルゲーム寄りのホラーADVとなる予定です。立ち絵やUI、BGM、シナリオの制作等は自分で行っていますが、プラグインやSEはほぼ配布いただいているものを使用して制作を進めています」



「RPGツクールMVを使って制作しているのでプログラムを覚える必要がなく、制作のハードルはかなり低いのだと思うのですが、それでも詰まるところが多々あるので、プラグインを制作したりプログラミングからご自分でされている方々に対しては尊敬の念しかありません」


「余談ですが中学時代にフリーゲームをよくやっていて、もし作れるならこんなゲームにしたいな…という妄想を膨らませていました。まさか本当に自分で作ることになるとは、昔の自分に伝えたら驚かれそうです」


――まさか独学とは…驚きです。続けて、オリジナルキャラクターの紹介もお願いします!


「たくさんいるのですが、『whale fall』という作品の中からスダクというキャラクターについて紹介させてください。明るくて元気で、女の子の顔をした男の子にあやされたい…という自分の欲望に従ってできたキャラクターで、一番よく描いているのがこの子です」



「スダクという名前は集く(すだく)という、虫などが集まってにぎやかに鳴いているさまを表す言葉から取って、衣装など蝉をモチーフにデザインしました。蝉のオスは鳴き声を反響させるためにお腹がほとんど空洞になっているのだそうで、からっぽのお腹から連想して赤ちゃんをお腹の中に宿したがっている、透明な子宮を持っているような男の子になりました。といっても内面が女性的であるかというとそういうわけではなくて、どちらともない、自分の表現したい"性別の曖昧さ"が強く反映されたキャラクターかなと思います」



「今までに多くのキャラクターを作ってきましたが、名前と設定があるキャラクターだけでも100体以上は制作しているかと思います。各々独立しているというよりは、外見や属性が似ているキャラクターが何体かいて、それらを素体にして新しいキャラクターが生まれるといった感じです。スダク自体は自分が高校時代に考えたキャラクターなのですが、今まで作ってきた子が少しずつ形を変えて今の姿になった…と考えるとかなり付き合いの長いキャラクターなのだと思います」


――それでは、ご自身が今まで描いた作品の中で1番印象深い作品(イラスト)は何ですか?


「前述したスダクというキャラクターのイラストなのですが、何か一枚、自分の部屋に飾るための作品が欲しいなと思い制作したものです。黄色のインテリアが多めの部屋なので黄色基調のイラストになりました。題名もそのまま『Yellow』です」



「瞳のしめりけ、血管の繊細さ、皮膚の色の微妙なニュアンスなど、細かなところを大事に、実体が感じられる作品になるように試行錯誤しました。彼と一緒に住んでいる気分が味わいたいなと思って…ただ自分のためだけに、長い時間をかけて作品と向き合って、何度も描き直して完成した印象深い作品です」


――今後、挑戦してみたいことはなんでしょうか?


「書籍の装画やコラボカフェなどのキービジュアル、キャラクターデザイン、フィギュア化やコラボドール、アパレル系など様々なジャンルのお仕事に携わってみたいです。機会がありましたらお声掛けをいただけると大変嬉しいです」


――また、何か告知がありましたらぜひ。


「告知はやっぱりゲーム制作についてでしょうか。無事完成させることができればフリーゲームとして公開予定です。なんとか完成させたいですね…」


――インタビューありがとうございます! 最後にファンに一言お願いします!


「いつも作品をご覧いただきありがとうございます。ご感想をいただいたり、イベントで皆さんとお話をさせていただく度に、自分は多くの方に支えられて活動ができているのだなと強く感じています。今後も色々と楽しいことができたらなと思っていますので、よろしければ引き続きご覧いただけると嬉しいです。閲覧ありがとうございました!」


 

■ライタープロフィール

ニックネーム:笹本千尋 -sasamoto chihiro-

東京都在住

ツイッター:@tiam_00 

自己紹介:2021年に日本大学芸術学部文芸学科を卒業後フリーでライターをしております。


現在は「アニメイトタイムズ」「クウネル・サロン(マガジンハウス社)」「リアルサウンド」などで活動中。




 

ラ・ペオニア運営会社の株式会社ジニヤズでは、若手クリエーターたちの作品や発想、活動をインタビューを通して世界中の多くの人々に伝えることを応援しております。


多言語(日中英)翻訳と情報発信のサポート、ビジネスチャンスのクロージング斡旋も行っております。インタビューや業務提携などのご希望がある方は、お気軽に「お問い合わせ」までご連絡くださいませ。


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