top of page

【ラペオニアイベントレポート㉒】前期後期で総勢20名のクリエイターが参加!「美少年展2024」後期をレポート

今回、訪れたのは原宿にあるmarienkaferさんにて開催中(1月3日〜1月21日)の豚箱ゑる子さん&marienkafer 千ヒロさん主催「美少年展」2024の後期!


盛り上がりを見せた前期に引き続き、後期は11名の作家さんが参加されていて、前期とはまた違った美少年の形を目にすることが出来ました。


※去年に引き続き、今年もクリエイターの中ではお馴染みのオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI byGMOペパボ」さん(以下、「SUZURI」)が協賛されています。


▲参加クリエイターのホンダソウイチさん描き下ろしキービジュアル



■ギャラリー内風景


それでは、前期と同様に豚箱さんのコメントと共に各作家さん&作品をご紹介していきます!


■参加クリエイター紹介

1.ホンダソウイチさん


――今回、後期ということでホンダさんは2作品増えていますね!


「そうですね!額にキスしていたり、指先のちょっとした触れ合いといった丁寧な愛情表現というのがとても溢れている作品だなぁと思います。普段は大胆な作品が多いからこそ、いつもよりもアットホームな感じが伝わってきます」


――人物もですが、ホンダさんは柄や背景も巧みだなぁといつも思います。


「すごく器用で、細かい柄なども描き込んでいて。襟が羽ばたいていたり、制服の皺の感じも巧みだなと。あとホンダさんは白鳥がお好きな方で、二羽が対になっているのもポイントですね」


2.豚箱ゑる子さん


「ストレスが溜まった顔っていうのが割と好きで。黒色が好きということもあって…黒色が画面にあると嬉しいタイプです。だからスーツや学ランを描くのが好きなんですよね」


――そうだったんですね!今回、3作品とも「汗」かいてませんか?


「あ、本当だ。みんなやっぱり社会人なりに、汗が…冷や汗的な。あとこの作品は搬入の前日まで描いていて、私も焦っていたので、それが作品にも出てしまったのかも(笑)」


――(笑)。原画ですものね…。


「ガッツリ原画です。実は、油画科出身なのでアクリルガッシュを幼い頃から使っていて、アクリル画と油絵を習っていたので何気にアナログの方が若干歴が長いんです(笑)デジタルは18、19の頃にアイパッドを買ってからなので買ってからなので…久々に絵の具に触りたいなっていうのもあり、毎回原画はアナログです!」


――知りませんでした。アナログの方が長いんですね!


3.細川成美さん


「毎回、作品のテーマで「星」を入れてくれるんです。成美さんの描く星が可愛くてめっちゃ好きです。全体的にもおしゃれで…赤の使い方が本当に綺麗。目元にも赤があるので見てください」


――本当だ…近くで見ると黒髪のハイライトが金色ですね。


「そう!ハイライトが金で。あとは、こちらも毎回なのですが黒にラメが入っています。これがおしゃれを感じるポイントの1つでもあり綺麗だな〜って。いつもは女性をテーマにした絵を描く方なのですが、美少年展だけは美少年を描いてくださってありがたいです。成美さんが描く、男の子は結構肩幅があって90年代を彷彿とさせられる部分もあって個人的にも刺さります」


――うんうん。あと、唇のグラデーションもめちゃくちゃ綺麗です。


「分かる〜!筆の使い方がお上手で、すごいなぁ。成美さんの美少年だけの画集、欲しい(笑)」


4.ikeda akuriさん



「今回初めての作家さんです。ikeda先生のカッパの少年の漫画をXで見かけて、こういったら何ですが、めちゃくちゃお尻というのもの(特に足からお尻にかけて)が私が大好きで。そこでikeda先生のこのお尻の描き方はとてもフェチに刺さるんです。一見、絵本にあってもおかしくない絵柄なのによく見るとフェチがある!という」


――喉の部分から覗くように女の子が顔を出している部分とか、面白いなと感じました!


「着眼点がものすごく面白いですよね。先の話に戻ってしまうのですが、カッパ少年のBLを描いていらっしゃって、「カッパ少年のBL!?」と。その発想がパッと思い浮かぶのがめちゃくちゃ素晴らしいです…。骸骨もグロそうなモチーフではあるのに、作風だけで帰着してスッと違和感なく入ってくるところも凄いなと思う部分です。めちゃめちゃファンだったので参加してくださって嬉しいです。世界観は国並みです!」


5.宝とじさん


「宝とじさんは毎年出てくださってます。以前は色が無い白黒の作品をよく出してくださっていたのですが、最近はカラーを入れてくれるようになりました。筆の細かさがすごく好きで、漫画のカケアミを多用しているところがポイントです。「カケアミ、マジで好きなんだな」っていうのが伝わってきます(笑)」


――髪の描写も細かいですね。あと頬の部分のグラデーションにたくさんの色が入っていて独特だなぁと感じました!


「よく見ると、ピンク、緑、青…と色々な色が入っていて、かつ美しく見える。色味をかなり抑えているのに、印象に残る絵を描くことってかなり難しいと思います。そこのバランス感が素晴らしいなと…あとフェチ的なことをいうと、私は宝とじさんの柔らかそうなのに男性を感じる手が好きです」


――私は小さいホクロがあるのも刺さります。


6.Sitryさん


「実際にいそうな美少年ですよね。Sitryさんの白が気になります。白にも種類があって多用しすぎると画面がまとまりがなく見えてしまうのですが、Sitryさんはそこを上手い具合に多用しながら美しく見せる部分がお上手だなと思います!」


――レースとかベールの感じも巧みです。透けている感が本当に伝わってきます。


「立体感もあるし、高級感も感じます。こういう少し、不気味な雰囲気が漂っているのも味がありますよね。あとは美少年にラッピングされていて値段のタグがついていたり、「お?」と。ただの美しいだけじゃない、何か設定がありそうな作風が好きです」


――売り物なんじゃないか…とか色々と彷彿とさせられる、考察が捗りますね!


7.カンジさん


「結構カンジさんの作品はデジタルだとパキッとしている印象があるのですが、アナログになると熱量が高いのが伝わってくる筆のテクスチャーを生のまま残してくれている印象です。デジタルちっくな絵柄なのに、こういう表現をしているところが凄く面白いなと思います。タイトルも「悲観主義者はドーナッツの穴を見るか」と、色々と考えられています。ちなみにドーナッツの穴には「ニャー」って書いてあるっていう(笑)」


――え?! 本当だ!(笑)


「可愛いですよね」


――さくらんぼもいい味が出てます。


「装飾も素敵ですよね。額にフリルが施されていたり、あと販売中の美少年のアクキーも作品内にくっついています!そして、左上の作品。私こういうバグっぽいのめちゃくちゃ好きなんです。インターネットを感じます」


8.Karoooome knowledgeさん


「見たら分かると思うのですが…すでに面白くないですか?!」


――こちら面白いですね!灰皿とスケボとバッグ!


「誰もキャンバスに描けなんて言っていないので、こういった作品の形も大いにありなのですがこの発想が素晴らしい。灰皿に直で描いていて、しかも灰皿を壁に貼ろう!というところが面白いです。ちょっとした文字や柄がストリートアートっぽくて好きです。隣のスケボとバッグは、下に持ち主の絵が飾ってあって、このキャラの持ち物なんだよっていう風に書かれていて世界観あるな〜!と。こういうのをやってくださるのでオタク的に嬉しい(笑)」


――たしかに、概念とか以前に(そのキャラの)私物を展示してくださってますもの。


「明らかに偽物のヴィトンのバッグに描いてるとこもツボで…。偽物の工場を働くみたいな、実際にKaroooomeさん自作のゲームにあるんです。それのテーマに沿って作っているんだと思います」


9.電Qさん


「先程のKaroooomeさんと電Qさんも今回初めての作家さんです。電Qさんは、平成レトロという言葉が合っているかはわかりませんが、レトロアートがめちゃくちゃお得な方です。色味はビビッドで、アイテムのチョイスにもレトロ感がありますよね。そして、なおかつ印刷所がレトロ印刷だと思うのですが、紙質にも特徴があります」


――原画かと思いました…!アイテムにはガラケー大きいラジオも描かれていますね。


「うんうん。ピンクの使い方がお上手だなと思って、ジャケットを着た男性の後ろ姿の作品があるじゃないですか。腕部分はドラゴンソードの柄!このTシャツがあったら欲しいな(笑)柄の描き分けもお上手で…「ゲーセン」「ムダイ」「1995」とタイトルもかっこいいです」


――かっこいい…「1995」の男性、後ろ姿だけどタバコ咥えているの最高です!!


10.万歳寿大宴会さん


「去年は「ぽめ」という名前で参加されていましたが今年は万歳寿大宴会さんとして参加されてます!コミカライズ『死亡遊戯で飯を食う。』で現在漫画を連載されています。今回はアクリルパネルで出してくださっていて、すっごいカッコよくないですか?」


――カッコいいです。ビジューも相まってカッコかわいい!


「少年だけど、キラキラしていて少女漫画みたいで可愛いんです。人物自体や背景のピンクの彩度は低いのですが、ハイライトやキラキラは彩度が高く、立体感があり見ていて凄く綺麗だなと思います。あとフリルの描き方もめちゃくめちゃ好きです!可愛いをゴリ押ししてくれて嬉しい…」


――豚箱さんきっと1番右の作品の黒い服の紫髪の子、お好きですよね?


「大正解!1番好きです!ソックスガーターやばくない?!めちゃめちゃときめきます。現代社会において靴下を上げて固定するなんてこと中々ないんです…そこを描いてくださるとは…嬉しい。そして万歳大宴会さんのキャラは腰が高くて超素敵です」


11.烏帽子眇眼さん


「烏帽子眇眼さんは去年までキャンバスプリントでしたが、今年はパネルで参加してくださいました。美しい…私、スプリットタンにタバコを咥える仕草が好きすぎて。超個人的に結構ガチで、スプリットタンの方にこれができるのか聞いてみたいです(笑)」


――深かったら出来そう!(笑)牙のピアスも耳のピアスも可愛いです。


「耽美な絵なのにピアス痕があったりと治安が悪いのも良いですよね。このバランスは、絵が上手い方だからこそ成せるのだなと」


――美しすぎて、タバコのキラキラした副流煙にもご利益がありそうな雰囲気です。


「ありそう!(笑)ひとりひとり名前がついているし、ピアス痕やタバコというアイテムも相まって色々と3人の関係性の妄想が捗ります。あとは私は褐色の子が好きなのですが、烏帽子眇眼さんは毎年必ず褐色の子を描いてくださるので「ありがてえ〜」とオタク心で思ってます(笑)」


\ グッズも豊富! / 


グッズ売り場には前期のグッズも合わせて販売されてありました。総勢20名の作家さんのグッズがずらーっと並んでいると圧巻ですね。


また、一部商品は展示終了後1/24(20:00)-1/28(23:59)の期間にmarienkafer公式通販にて購入出来ます◎ 買い逃してしまったり、やっぱりあの商品気になる!という方は是非サイトをチェックしてみてください。


●通販はこちらから


そして最後には、主催の豚箱さん&千ヒロさんからコメントをいただきました!


――ご来場者の皆様へメッセージをお願いします!


「今回は、前期・後期と2回目の試みで、前後でメインビジュアルのホンダさんと私以外の作家さんを完全に入れ替えるというシステムだったのですが、後期は大きい作品や面白い作品が多かった印象です。前期・後期含めて、飾ってみると密度が高い作品たちばかりで見応えがあり、また作家さんもずっと参加してくださってる方や初参加の方がいる中で、皆さん今1番クオリティの高いものを持ってきてくださる熱量の高い展示会になったと思います!そして今年で美少年展は7年目を迎えました!毎年来てくださる方も一定数居てくださって、恒例行事的に思ってくださるのも本当に嬉しいです。また、今回初めて来てくださった方もいらしゃって嬉しい限りです。お目当ての作家さんを見に来たけど、作品に触れるなかで今まで知らなかった作家さんを知って好きになった、という機会になれば…と。創作界隈の輪が広がっていけば素敵だなと勝手ながら感じています。皆様をみて「頑張ろう!」と思えます。ご来場くださり本当にありがとうございました!豚箱ゑる子」


「このたびは第7回美少年展にお越し頂き誠にありがとうございました。今回で7回目の開催となる本展示会では前期、後期を合わせて総勢20名のクリエイター様にご参加頂きました。毎年素敵な美少年達が一同に拝見できる本展示会は私自身もとても楽しみにしている一大イベントなので、こうして無事に開催できることが本当に嬉しいです!今年は会場を2年ぶりにデザインフェスタギャラリー様から従来の店舗での開催となり、少々緊張しておりましたが沢山のお客様にご来場いただき誠に感謝しております。また1月24日の夜8時からはお店の通販サイトにて一部作品やグッズの通販もスタート致しますので、都合が合わず展示会に来れなかった方や遠方の方にも楽しんでもらえたら嬉しいです。marienkafer 千ヒロ」


協賛 SUZURI byGMOペパボ

 

■会場

原宿 marienkafer (@__marienkafer__)


住所:東京都渋谷区神宮前6丁目28−4 シニック関根ビルB1-B

JR原宿駅徒歩7分、東京メトロ明治神宮前駅7番出口徒歩2分


■「美少年展」2024 参加作家

豚箱ゑる子/ホンダソウイチ/砂糖みかく/かねこ鮭/OTOCHI/燈彩/仄時チコ/慎/Masato/福宇地/三日月ランプ/Karoooome knowledge/Sitry/細川成美/電Q/宝とじ/烏帽子眇眼/ikeda akuri/カンジ/万歳寿大宴会 (敬称略)


★「美少年展」レポート バックナンバー

 

■ライタープロフィール

ニックネーム:笹本千尋 -sasamoto chihiro-

出身地:日本・東京都

ツイッター:@tiam_00 

自己紹介:2021年に日本大学芸術学部文芸学科を卒業後フリーでライターをしております。


現在は「アニメイトタイムズ」「クウネル・サロン(マガジンハウス社)」「リアルサウンド」などで活動中。




 

ラ・ペオニア運営会社の株式会社ジニヤズでは、若手クリエーターたちの作品や発想、活動をインタビューを通して世界中の多くの人々に伝えることを応援しております。


多言語(日中英)翻訳と情報発信のサポート、ビジネスチャンスのクロージング斡旋も行っております。インタビューや業務提携などのご希望がある方は、お気軽に「お問い合わせ」までご連絡くださいませ。

bottom of page