• ラ・ペオニア編集部

質感あるビジュアル表現のきっかけは新世紀エヴァンゲリオン!? 若手イラストレーター・鳥喰炗尐(ヒカリ)さんに創作所感を伺いました!


■Profile

ニックネーム:鳥喰炗尐(ヒカリ)

SNS:@Huahikari0420

出身地:中国

大学:北京のある総合美術大学

職業:卒業手前の大学生

専攻:プロダクトデザイン







■Art Gallery

────ではまず、先生の自己紹介からお願いします! ちなみに、お名前はどう読めば宜しいでしょうか?(笑) 「皆様こんにちは。北京にある総合美術大学で、プロダクトデザイン専攻に通っている(もうすぐ卒業)大学生の鳥喰炗尐と申します。読み方ですが「ヒカリ」と呼んでください! えと……名前の由来を説明しますと、厨二病時代の私は、ネット上に使うニックネームは、特別な文字を使いたい!という発想から、ルームメイトと一緒に漢字を調べました。そして最初に見つけたのは「炗」とう文字です。その後また「尐」という文字も見つけました。「尐」は「光」と「蝉」を意味する漢字で、その文字をとても気に入りました。そうした厨二病の勢いから「鳥喰」の文字と組み合わせて、自分のニックネームにしました。読みにくいと思いますので、とにかく「ヒカリ」と呼んでください(笑)」 ────ヒカリ先生は、いつから絵を描き始めましたか? それには何かきっかけがありましたか? 「幼い頃から絵を描くことが好きで、落書きをいっぱい描きました。当時の自分は「雲」に夢中でした。今から思えば、最初に絵を描きはじめたきっかけは、自分が見た雲の姿を自分の手で記録したかったからです。 でもまあ、自分はどちらかというと絵の才能がそんなにない方で、作品は中途半端でした。高校3年生になって、美大に進学するために本格的な絵の訓練を受け始めて、そこからは本当に絵の世界へ旅を始めたと言っても良いと思います」

────ヒカリ先生は、自分の創作において主なテーマは何だと考えていますか? 「自分の作品は同人のイラストが多く、創作と呼べる作品はごく僅かの数しかありません。そして自分がとても気に入っているのは「子羊」というテーマのビジュアル表現です。 一人ぼっちになった子羊、子羊のイメージで人を隠喩する、或いは移動する子羊の群れとして描く、とか、子羊という要素を、ビジュアル画面に登場するキャラクターと組み合わせて、素朴な「戸惑う感」を表現したいと思っています。 現実の中では見えない夢のような風景だけど、それはまた日常にある平凡なシーンを画面で表現したかったのです」

────ヒカリ先生は、自分の絵柄の「特徴」についてはどう思いますか? そしてそのスタイルは、どうやって身につけましたか? 「おそらく私の絵柄で一番特徴的である表現は、画面の「質感」であると思います。私はイラスト創作において「不確定性への探求と楽しむこと」が大事だと思っています。 あくまで常識的に教科書などに書いてある既存の作画手順に従って作品を完成させるより、作画時に順番をシャッフルして自分から面白そうな方向感覚を掴みながら画面を表現していく方が私は好きです。そしてそのランダムな探求の中で、独特な質感が自然に表現されます。私自身もそのランダムな感覚を楽しんでいます。時々、自分でも驚くほどに、予想より理想的な成果をもたらしてくれます。

────ヒカリ先生の「絵柄の形成」の時期に、何か作品からの影響はありましたか? それについて説明してください 「私の絵柄に大きな影響をくれた作品と言えば、やはり「新世紀エヴァンゲリオン」からの影響が大きかったです。自分がこの作品と出会ったのは高校時代で、将来の専攻選びに彷徨い、情緒も不安定だった頃でした。 また自分が絵画の方法を探求しはじめていた初期の頃でした。「新世紀エヴァンゲリオン」との出会いは、いろんな意味で私に大きな影響を与えてくれました。当時の私は、主人公の碇シンジ君にすごく共感をしていました。そしてイラストビジュアル画面で自分の感情を表現する欲望も溢れていました。感情表現という抽象的なイメージをどのように描くか、方法手法を探りつつ、徐々に自分の作画スタイルが形になってきたと思います。 青春時代、彷徨う時期に、あらゆる面で人々を深く感動させたこの作品に出会えたことは、大変幸運なことだと、自分は今でもそう思っています」

────ヒカリ先生が、オイルパステルを自分の表現手法として選んだ理由は? 作画過程についても聞かせてください 「自分は絵画において、様々な画材と表現手法を模索しました。多くの選択肢の中にオイルパステルがもたらす画面質感があり、私にとって一番魅力的な表現だと思い、それを選びました。 オイルパステルのペイントストロークはデジタル処理後、絶妙に画像のビジュアル内容を豊かにしてくれますし、またオイルパステルで作画する際に、予期できないランダム性のブラシタッチ表現もおまけについてくれるので、画像情報をさらに豊かにすることができます」

────ヒカリ先生のオイルパステル質感をデジタル画面に持ち込む手法をぜひ教えてください! 「手順を説明しますと、まずはオイルパステルを使って画面のベースを作ることです。作画する前に、私は絵の全体的な完成イメージと色彩を頭の中で想像して感覚を掴んでいきます。そして紙選びも粗くて元々質感がついているものを使います。紙で鉛筆を使い輪郭を描き、次にオイルパステルで淡い色から濃い色までゆっくりとベース色塗りしていきます。ほとんどの場合はオイルパステルで色付けをしますが、広い範囲での色付けはたまに透明水彩を使用したりします。 ベースの色付けが完成しましたら、次は画面全体の写真を撮って、デジタル描画ソフトウェアに転送することです。そして写真はPhotoshopで色調補正調整してから(例えば彩度やコントラストなど)デジタル作画に移行します。 作画においては直感に任せて描いていくことと、デジタルツールの有効活用は大事だと思います。自分がよく使うのは、カーブ、グラデーションマップとレイヤーエフェクトなどの機能です。それで全般的な画面を調整しながら、描いていきます。 仕上げをする際に細部調整と描写を丁寧に描き込みます。細部調整描写に、自分はよくスタンプとクローン機能を使って画像一部の質感バランスを調整します。また画面上の部分的な違和感を消すためテクスチャー感があるブラシの使用もお勧めです」

────ヒカリ先生の作品はよく不思議な風景を見せてくれますね! 画面構成についての心得を聞かせてください! 「画面構成については、自分の経験からお話しますと、例えばオブジェクト本来の色を変えることはとても効果的です。色を変えるごとに違う質感を加えることによって、非現実的な「怪異」感を醸すことができます。

また、最終画面に意図的にテーマと矛盾する要素(具体的な形状でも良い、概念的抽象的な表現でも良い)を混ぜることも、不思議な雰囲気の表現をもたらしてくれます。 画面構成を上手にできることには日常生活の中で様々な場面から知識を蓄積することが大事です。個人的には最高のインスピレーション源は名作映画と本だと思っています!」 ────ヒカリ先生が友達にプレゼントとしてあげた「ウテナ」の絵は表現力豊かで熱意が込められています。その絵を描いた時の想いを教えてもらえますか? 「『少女革命ウテナ』アニメは少しだけ見ましたが馴染みではないので、ウテナというキャラクターをどう表現して良いか正直少し迷いました。そして参考用の資料情報を集めることに時間をかけました。彼女がアニメに登場するシーンを見たり、他イラストレーターの同人作品で彼女にどんな要素を入れたかを確認したりをしました。またキャラクターが着用する特別なテクスチャを持つアイテム(肩の宝石など)は現実世界での光影表現はどうなっているのかも色々チェックしました。 参考資料をまとめた結論として、自分は「ウテナ」というキャラクターの表現において赤と白のバラは一番メインとなるビジュアル要素であると判断しました。画面構成について、自分はキャラクターのポーズ選ぶことに少々苦手だと感じました。躊躇した後に、最終的に「4分の3側面」の構図は一番理想的なポーズだと感じまして、それにしました。 これらのことを全部決めた後はいつものように、オイルパステルで色塗りからの作画過程になります。幸運なことに、この作品は自分の思うままに順調に仕上げできました」

────この絵を描く過程に最も難しいと感じた部分はどこだと思いますか? 「この絵の最も難しい部分は、細部の仕上げ調整と最終処理の段階だと感じます。オイルパステルでベースを処理する時は、服の紺色部分を塗りませんでしたので…それゆえに調整段階において最大の困難は、その服の紺色部分を質感を持たせてバランスよく追加することでした。 また最終処理段階について、作品の完成度を上げるために何かアクセント的なことが必要だと感じまして、色々悩んで最終的に原作のテキスト情報を視覚要素として追加し、画面上で簡単なレイアウト処理を行い仕上げました」 ────ヒカリ先生が尊敬する、或いは一番好きなアーティストはどなたでしょうか? 「尊敬するアーティストは数え切れないほどいますが、今年ではArkhip Kuindzhi(@artistkuindzhi)という画家がとても気に入っています。ツイッターの彼のARTBOTで作品を拝見できます。Arkhip Kuindzhi先生の作品は、画面がまるで壮大な史詩のように、静止画でありながら力強く色彩表現ができていて、どれも素晴らしいです」

Arkhip Kuindzhiさんの作品

────ヒカリ先生の作品を拝見し、『新世紀エヴァンゲリオン』と『NARUTO』関連の同人作品はとても多い気がします。その二つの作品に対して一番好きなキャラクターとシーンを説明してもらえますか? 「『新世紀エヴァンゲリオン』との出会いは19歳の時でした。先にも話しましたが、自分はこの作品から多く感動、感想を得ました。この素晴らしい作品を作ってくれた庵野監督にとても感謝しています。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のリリース後、自分が作品に対して抱いた、あらゆる複雑な感情は、最終的に感謝の気持ちに変わりました。

『新世紀エヴァンゲリオン』で自分にとって最も印象的なシーンは、新劇場版第二部の最後、シンジが必死に綾波レイを救おうとするシーンでした。レイは最後には救えませんでしたが、シンジが「レイを救う」と決意し立ち上がって走り出す一連の行動に、私はとても感動しました。 また、旧作劇場版で初めてリリスが登場するシーンもとても衝撃的な印象でした。その造形デザインは自分はとても気に入っています。 昔の私が、ずっと碇シンジが大好きだった理由は、観客としての自分にとって彼とすごく共感できたのが理由でした。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を見た後に、ある意味で自分も「碇シンジ」を卒業ましたので(笑)、今は綾波レイの方がもっと好きです(笑)。

『NARUTO』は子供の頃からずっと見てきた作品で、作品に対する感情というより、馴染みな気持ちのようなものになっています。2020年頃に同じ『NARUTO』が好きな友達との出会いがきっかけで同人作品もいっぱい描きました。 自分の一番推しはやはりカカシの先生ですね。あらゆる面で自分の好みポイントと合致する理想的な満点キャラクターなんです! カカシ先生は。

一番印象的なのはアニメの神威空間でうちはオビトVSカカシ先生の戦闘シーン、あの素晴らしいアクション作画はとてもインパクト的で感動しました。そのおかげで頭に中にこの二人のBLシーンを妄想しまくりました」

────インタビューありがとうございました! 最後に、日本のファンに一言をお願いします!

「私の絵が、もし気に入ってくれ頂けれるとしたら大変嬉しく思います!

そしてこれからも新しい作品の創作に一生懸命頑張りますので、ぜひご期待ください!

どうか宜しくお願い致します!」

 

鳥喰炗尐(ヒカリ)先生の最新作品情報、そして進行中のコラボ商品化企画はホビーテレパにて告知していきますので、ぜひお楽しみにしてください!

閲覧数:31回