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世界が注目するハイクオリティBJDメーカー「RINGDOLL」代表取締役の黄山氏に直インタビュー

「BJD」とは「Ball Jointed Doll」(球体関節人形)の略語。関節が球体になっていて、好きなポーズをとらせて遊べる可愛らしい人形を意味します。日本では古くは人形劇「プリンプリン物語」やマンガ「ローゼンメイデン」などでも登場、最近では人気キャラクターをモチーフにしたBJDドールも登場し、世界的に熱狂的なファンも増えています。今回、ホビーテレパでは、このBJDのトップブランドのひとつであるRINGDOLL社(御座文化)に直接お話を伺いました。


■メーカープロフィール

・ブランド名:RINGDOLL

・法人名:深セン市御座文化発展有限有限会社

・住所:中国広東省深セン市

・設立:2009年



■代表プロフィール

・代表取締役:黄山(こうさん)

・SNS(WEIBO):@御座的黄山

・出身校:中国美術学院

・専攻:アニメーション専攻



中国BJDドール業界においてハイクオリティの評価を受けるRINGDOLL

(※以下内容は、代表取締役の黄山氏から直接にお話を聞きました)

RINGDOLL代表取締役の黄山氏


──御社の代表作を紹介してください。


「弊社がもっとも好評をいただいた商品は、2018年11月11日にリリースした『魔道祖師』魏無羨ドールセット(左)、2019年2月19日にリリースした『魔道祖師』藍忘機ドールセット(中)と2021年7月リリースした『天官賜福』謝怜ドールセット(右)です」




──商品の販売数はどんな感じでしょうか?


「弊社の商品はBJDドール業界において相当高価格帯な商品(5万円~10万円)になりますが、ハイクオリティにこだわり、エンドユーザーからご好評と多くのご支援を受けています。『魔道祖師』シリーズについて、魏無羨ドールセットは発売後一日で1,000体以上の注文がありました。藍忘機ドールセットは発売してから一週間に、2,000体もの注文をいただきました。『天官賜福』謝怜ドールセットも1,000体以上の注文がありました」



──日本アニメやマンガとのコラボ商品を企画したことはありますか?


「はい、あります。弊社は2017年に、アニプレックス社から正式的にライセンスを取得し、アニメ作品『黒執事』とコラボドールセットを企画、販売しました。キャラクターは「シエル・ファントムハイヴ」、「セバスチャン・ミカエリス」です。予約販売の形で中国国内限定、数量限定の形で発売し、販売開始1時間後には、すでに売り切れました。大好評につき、2019年に同シリーズの追加企画「グレル・サトクリフ」も発売しました。以上作品はすべて、制作過程において原作側からの直監修を受けました。



2017年2月に東京で開催された「WonderFestivalフィギュア展示会」に、弊社RINGDOLLが出展し、制作中の『黒執事』シリーズドール商品を展示しました。この作品は会場にて多くの注目を浴び、話題になりました。日本のファンから「日本で販売する予定はありませんか」と多数の問い合わせてが殺到しました。残念ながら当時は中国国内限定でのライセンス条件で日本向けの発売はできませんでしたが、ファンたちが「日本でも発売してほしい」と熱意を込めたツイッターが多くありました。日本のファンからの愛情を非常に感じました。その後、商品の日本向け販売にも力を入れております」




──黄山氏個人のお話を伺います。美大生として在学中はどんなことをしていましたか?


「元々アニメやマンガが大好きなので、在学しながらコスプレヤーをやっていました。またコスプレの化粧師もやりました。作品が好評でファンがついてくれて、今やWEIBO(中国版ツイッター)のフォロワー数は二百万人以上もいます(笑)。創作において漫画、文章、デザイン、撮影など様々な手法で表現をチャレンジしまして、おかげ様でデザイン、イラスト業界の方とも多く繋がりができました」



──どうしてフィギュア・人形・BJD・モデルの業界に入ろうとしましたか?


「大学時代はアニメーション専攻に入り、その時はストップモーションアニメーション(コマ撮りアニメ)の作品制作に没頭しました。コマ撮りアニメの創作において、最も大事な部分は被写体の人形制作です。人形制作を日々に勉強の中、人形が様々なビジュアル表現に素晴らしい素体だと気付きまして、人形を通して自分の美学を表現しようと決意しました。その結果は、自分がBJD人形のメーカーを設立したことです」


黄山氏大学時代のコスプレ写真


──会社設立の経緯とブランド名の意味をご紹介ください。


「会社の設立は2009年、自分が大学卒業したから2年目の時です。ビジネスパートナーと一緒に会社を設立しました。ブランド名はRINGDOLL(中国語:戒之人形)。


RINGDOLLの「RING」は指輪と円の意味です。中国では円が宗教シンボルマークの重要な部分です。たとえ太極の模様は円と黒色白色ので「陰と陽の両極」、「包括性と調和」を象徴します。その意味は私たちのブランドビジョンでもあります:様々な物語、表現手法、美学思想を良き融合し、世に良き作品を送り出すことです。

また指輪は手の飾りでもあります。「RING」は私たちの人形職人の手を象徴する意味も込めており、RINGDOLLは、創造の根源(手)から生み出した人形であることをご理解して頂ければと思います。



──作品制作における社長のこだわりを教えてください。


「こだわりの部分と言えばやはり人形の頭部の作業ですね。頭部はドール原型師にとって最も感情を込めて作業しないといけないの部分です。造形から化粧の仕上げまで、自分の美学を表現しながら人形に命を吹き込む作業なので、まるで創造主のような気持ちになります」




──これからの事業展開と計画について、どのようにお考えでしょうか?


「もっと世界的に知名度があるBJDドールブランドになるように、頑張っていきたいと思います。私たちの作品を通して、世界中のBJDドールマニアたちにユニークな選択肢を与えたい、また「人形」という媒体を通して私と創作チームのメンバーたちが「美」に対する考え方を発信し、作品を理解していただけるようにムーブメントをどんどん広げていきたいと思っております」

アリババが主催する新鋭ブランドと商品見本市「淘宝造物節2021」にRINGDOLLのブースが出展



──日本のアニメ・マンガ・ゲームについてはどう思いますか? 好きな作品と、その理由を教えてください。


「日本のアニメ・マンガ・ゲームの先進性は、全世界中多くの人々に文化的な影響を与えています。それは私たちが目指していることでもあります。今や中国のACG(Anime、Comic、Game)業界も物凄い勢いで発展し、日中両国クリエターたちの協力作業によって生まれた優秀な作品も沢山輩出しています。それは文化交流という意味でも私たち製作者にとって嬉しいことだと思います。


好きな作品ですが、車田正美先生の『聖闘士星矢』、井上雄彦先生の『スラムダンク』は少年頃の私が一番好きでした。名作ならではのクラシック感がします。自分は流行りを追うタイプではないので、気になる作品は時間かけて読み通すけど、興味がないジャンルは全然読まないタイプです(笑)」



──好きな日本クリエイターや作者と、その理由を教えてください。


「竹谷隆之先生(フィギュア造形作家)のすべての作品が好きで尊敬しています。竹谷隆之先生の作品は、造形技術と美学表現において無欠な境界まで辿り着いていると感じますね、他に石長櫻子先生の作品が好きです。少女たちのピュアさ、メンヘラ感、そして欲望、様々な要素が融合したビジュアル表現が印象的です。」



──日本のフィギュア、プラモデル、や他のグッズ商品に、深い印象を残った作品はありますか?


「あ~~印象的な作品と言えばやはり『PERFECT GRADE UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダムですね!自分も購入して作ったけど、作業は本当に大変でした(目が大変疲れた)。なんとなく頑張って完成させまして、完成品のは素晴らしさに感動しましたね。さすがガンプラ40周年の集大成の作品で、ガンプラの進化を体感させてくれました」




日本のRINGDOLLのファンたちにひとこと

「日本の皆さん、弊社RINGDOLLに注目していただき、本当にありがとうございます。RINGDOLLの人形は品質とカスタマイズの自由さにこだわっており、表現において無限の可能性が秘めていると思っています。私たちメンバー全員は常に、作品を通して世界中の誰か見知らぬ方と絆を作り上げたいと、思いを込めて作品を作っています。

RINGDOLL社内自社商品の展示棚


また、私たちが作品を世の中に出した時点では、それの完成度はまだ半分にすぎません。ユーザーである皆さんがRINGDOLL人形を使って自分の美学主張を表現できたことこそ、その作品世界が完成すると思います。RINGDOLLのBJDドール商品ひとつひとつは、私たちと皆さんと共にで育ち上げた世界唯一無二の「魂の表現」だと思っています。ぜひ今後ともご応援を宜しくお願い致します」

 

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