■Profile
ニックネーム:ERR03
ツイッター:@ERR03
PIXIV:12021789
出身地:中国
職業:大学卒業したばかりのフリーイラストレーター&ゲーム開発者
■Art Gallery
───ではまず、ERR03先生の自己紹介からお願いします
「皆さんこんにちは、ERR03(イサン)と申します。名前の発音が難しいので、最初と最後の一文字を取って、中国語の発音から「伊弎」(イサン)というニックネームをつけました。また、これの発音が数字13に似ているので、「13」と呼んでもいいです。
今は大学を卒業したばかりで、これから「社畜」になるところです(笑)。大学は美術大でアニメーション学科を専攻したが、実際はコミックイラストの方向へ進みました。現在もゲームのコンセプトデザインを独学で勉強しており、将来はゲーム関係の仕事に就きたいと思います。
また、夢は、多くの人に感動を与える作品を作ることです。宜しくお願い致します」
─── ERR03先生は宇宙をテーマにするのがとてもお好きなようですが、何か影響を受けたことはありますか? もしそうだったら、どのような作品か教えてください
「実は、私は昔から現代の工業製品、技術製品に興味があるんです。これは、子供の頃、モノを分解するのが好きだったから、ではないかと思っています(笑)。昔、家に廃棄されたブラウン管テレビがあり、家族の許可を得て、家族が休んでいる夜中にこっそり内側と外側を分解してみたことがあります。その時に、このような厳格に洗練された美意識の高い工業製品というものが、私の頭の中に刻み込まれたのだと思います。
そして、宇宙をテーマにすることについては、私に大きな影響を与えたふたつの作品があるからです。ひとつは『スタートレック』で、もうひとつはHJL先生のイラスト集『ETHER AIRLINE』です。『スタートレック』におけるワームホールやブラックホールなどの宇宙現象の映像化は、当時としては驚くべきものでした。映画で描かれていたブラックホールは、近年発見されたブラックホールの写真に驚くべきことに非常によく似ていたのです。劇中で描写された時空を超えた重力などの表現に、私はとても感動しました。また、HJL先生の『ETHER AIRLINE』では、絵本で実現できる表現力を教えていただきました。メモ帳の形式から、付属の一部の図面やポスターなどのデザインまで、まるで物語に登場するモノが目の前に現れてきたかのような感覚でした」
─── ERR03先生の絵はディテールがリアルで、すっきりとした印象を与えます。この手法はどのように体得されたのでしょうか?
「これはおそらく、私が怠け者だからだと思います(笑)。ははは、そうですね。絵を描くときに、ペン入れやシェイプ、リファインにあまり時間をかけたくないんです。個人的にはとてもつまらない作業だと思います。だから、ディテールやテクスチャーをいかにシンプルに表現するかに重点を置いて、そのパターンやエッセンスを観察してまとめていますね。
例えば、現実の世界ではアウトラインというものは存在しません。なのに絵の中のアウトラインがあるのは何なのでしょうか? これは現実にはさまざまなシチュエーションがありますが、より一般的なのはプロジェクションです。例えば、洋服に糸を縫い付ける場合、上層の布が下層の布にかかる突起が非常に狭いため、アウトラインのような視覚効果が得られます。もちろん、素材特性や固有色、ボリュームなど、アウトラインにもさまざまなケースがあります。一言で言えば、現実世界を観察し、その本質を考え、導き出した結論をもとに絵を描いている、ということです」
─── ERR03先生の描く絵には、日常の中にある非日常的な要素が多いですね。どのようにインスピレーションを得て、構図を決めているのですか?
「ミュージック! ミュージック! ミュージックです(笑)
音楽は私の作品にとって不可欠な存在です。私にとって、異なる音楽はまったく異なる感情をもたらし、それがそのまま次の作品のムード(雰囲気)、いわば作品の魂を決定するのです。作品の魂が決まると、音楽を聴きながら頭の中に非常に曖昧なイメージが浮かんでくるようになります。すぐに明確なイメージを思い浮かべる作品も多くあります。その後は、たくさんの図を見ながら、このようなぼやけたイメージを徐々にクリアしていきます。
私がいつも参考にしているのは「Pinterest」ですが、他のクリエイターの作品を見て、イメージを膨らませるのも良いかと思います。この時点ですでに目に見える形になっているので、あとはクリエイター自身の構図制作の基礎力にかかっています。さらに、テーマのポイントとして、作り手がさまざまな分野の知識を身につける必要があると思います。 はっきり言って、私たちの脳は本当に何もないところから、今まで存在しなかったものを作り出すことはできません。宇宙人のイメージも、人間の形や他の生物学的構造の組み合わせによるものです。すべてのクリエイションは、見たものをつなぎ合わせたものです。そうなると、クリエイターが手にした知識の量は、手札のようなものです。手札が多ければ多いほど、組み合わせの幅が広がれば、もしかしたら自分たちの切り札を見つけられるかもしれないと考えています」
─── ERR03先生は、どのような絵を目指し、どのような効果を表現したいのか、そして自分にとって満足できる作品はどのようなものだと思いますか?
「今のところ、満足のいく作品はほとんどないと言わざるを得ません。私の性格なのかもしれませんが、非日常や非日常の中にいるような感覚、静かで孤独だけど美しい瞬間に満ちているような感覚に惹かれ、その感覚をみんなに伝えたいと思うんです。
また「非日常的な環境での安定したシステム」にとても興味があります。例えば、宇宙で野菜を育てるようなもので、それに見合った設備や機器、スタッフの手配などが必要ですが、システムそのものを考えていくことはとても面白いです。例えば『モンスターハンター』のように、豊富で完成度の高いシステムが作ればいいなぁと思います。ですから、システム全体をうまく設計して、このような感覚を示すことができれば、満足のいく作品になると思います」
─── ERR03先生が描いたオリジナルキャラの中で、どれが一番好きですか? もし、作品に面白いアイデアがあったのなら、その裏話を聞かせてください
「私のお気に入りは、卒業制作「File 0: The Icarus」の主人公の一人であるヘビです。彼女は免許試験の筆記試験では満点でしたが、実技試験では小さなミスをよくしていました。その結果、合格点しか取れなかったので、研修生として「イカロス号」に送られることになりました。ヘビは、とても明るい性格で、機械関係のものが特に好きな、ちょっと大らかな子です。肝心な場面ではいつもとても頼りになるのですが、日常のちょっとしたことでミスをすることが多く、泣かされることがあります。
ちなみに、ヘビは本当にトマトが嫌いなんです(笑)」
─── 好きな日本のACG作品、または影響を受けた作品やアーティストについてお聞かせください
「一番好きなアニメはやはり『STEINS;GATE』です。 時空によって定められた運命の中で、まゆりと助手を救うために、時間を旅し続ける主人公の物語が、深く心に響きました。これはある意味、『スタートレック』に感じたことと似ています。
また、『メイドインアビス』も印象に残った作品です。アビスのデザインと、下へ下へと探索を続ける主人公の勇気に魅力を感じました。『メイドインアビス』は、私の想像にぴったりの作品だと言えます。今年7月に発売される新章も楽しみです。この二つの作品のどちらかを選ぶのは、本当に難しいです。でも、『STEINS;GATE』は子供の頃、布団に隠れてずっと見ていた作品だからか、いつもより懐かしく思い出されるのかもしれませんね」
─── ERR03先生が「社畜」という言葉をよくSNSに使っていますが(笑)、生活の現状を変える意思はあるのでしょうか?
「SNSで使っている「社畜」ですね(笑)。どちらかというと、ここでは冗談なんです。「はい、社会人(会社勤め)です」と言うのも、ちょっとつまらないですからね(笑)。もっとも、今の状況にはかなり満足しています」
─── できれば、今のERR03先生の1日のスケジュールや過ごし方をちょっとだけ教えて下さい(笑)
「卒業したとはいえ、現時点ではまだ卒業証書を待ちながら仕事に通っているので、普段は学生時代とあまり変わりません。朝は8時か9時に起きて、ベッドの中でスマホをチェックし、昼と夜が終わったらパソコンの前でゲームをしたり、見たい動画を探して、午後は基本的に絵を描く時間で、夜は動画を見たりして、あるいは絵を描き続けていますね。 結局、毎日パソコンに向かい、たまに友人とレストランに行くという、非常に不健康な生活を送っているのです」
─── ERR03先生の過去に手がけたプロジェクトや周辺機器についてお聞かせください。また、今後実現したい商業プロジェクトやクリエイティブな企画がありますか?
「ゲームのプロジェクトにインターンとして参加したこともありますし、アウトソーシングしている会社で働いたこともありますが、今は公表できないです。できれば、将来的には卒業制作の「File 0: The Icarus」を量産して販売したいのですが、ハンドメイドのパーツが多いカスタマイズ作品なので、量産は無理そうですね」
─── ERR03先生、インタビュー大変お疲れ様でした!最後に、ファンに一言をお願いします!
「一言で言えば、創作の過程は修行の旅のようなもので、技術だけでなく精神性も試されていますね。しかし、作品を完成させたときの喜びは、その道のりの苦労を忘れさせてくれるでしょう。
最後に、みなさんが納得のいくものを作っていただければと思います」
ERR03先生の最新作品情報と商品化企画は、ホビーテレパにて告知していきます。ぜひお楽しみに!
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